M&A関連用語講座

M&A 一次情報とは?
発明者が働く職場に出向くと、発明提案書には記載されていないことのほうが多い、 という当たり前のことに気づきます。 モノづくりではない、ソフトウェア開発であっても、 その職場の空気から気づくこともあります。 特許法が書面主義であるので、書面に書けないことはなかったことと同じです。 しかし、発明者の「ホームグランド」にて同じ時間を共有することは、 知の書面化という仕事には重要なことであると考えています。 投資先については、その時々の判断となります。今のように都心回帰の動きが強まりますと、オフィス立地が狭くなります。オフィスを借りる企業は、便利な場所に良いビルがなければ困るし、だからこそ、貸しビル業はそういう場所にビルを建てなければなりません。 目下、我々は八重洲や汐留、京橋といった地区に軸足を移しているのですが、こうした場所は戦後早い時期に開発されたため、老朽化したビルの建て替えが必要です。たとえば、日本橋は便利な地区ではありますが、商業地区なので小さなビルが多い。そうした外国為替を集約し、我々が再開発して新たなビルを供給することになります。 一時、「2003年問題」と言われましたけれども、むしろ、それは再構築の始まりです。都市再生特別措置法によって、容積率などの建築規制が緩和されたこともあり、発展しそうな場所ほど、最新の大きなビルが建っていきます。社会的には少子高齢化が進み、女性や高齢者が働きやすい世の中になるし、都心近くに住んだ方が職住近接で、就業機会を得やすくなる。私はよく冗談で「高い家賃を払った方が、家庭の収入が増える」と言うのですが、そうした構造変化を読み取り、先手を売って打っていくことが我々にとっては大切なのです。 不動産会社としては都市全体のデザインがどのような方向に向かうのか、きちんと把握することが求められるわけですね。 [森]貸しビル業は「大型タンカー」を運転するような事業です。障害が目視できるような事態になったら、ブレーキを踏んでももう遅い。センサーを先に働かせていないと、うまい運転ができません。ゆっくり、時間をかけて動かしているようではありますが、短期、中期、長期で物事を見て、常に先を読みながら、事業計画を立てる必要があります。 賃貸のお客さんに対する見方も重要です。外国為替証拠金取引どのような産業が伸びるのか。どんな業種をターゲットにすべきかによっても、保有する不動産の場所は変わってきます。特にIT・通信産業のオフィスやディーリングルームなどは、設備が日進月歩で変わります。まず10年はもちませんし、更新となると、次のビルに移転していきます。したがって我々も、どこに投資すべきか、どういうビルを供給するべきかを考えておかなくてはなりません。 米国ではデベロッパーはあっても、資産は保有しませんよね。日本の場合、金融資本が強かったため、不動産会社は自ら土地を保有しながら事業ができた。その代わり、自分で色々考えなくてはならない。しかし、私は事業として、土地だけに価値を求めても面白くないと思っています。地価が上がって含み益が増えても、ちっともうれしくない。含み益で商売をしているわけではないし、何をどうやるかによって土地の価値が変わるからこそ、事業と呼べるのでしょう。 企業が成長する上で、企業文化が非常に重要だと思われます。森トラストグループの文化についてはどうお考えですか。 [森]貸しビル業というのは、時間概念が希薄と言うか、時間がコストであるという意識があまりないのですね。マンション業は作ったものが売れ残ったら大変です。貸しビルの場合は、今年建ったビルが来年稼動するといった流れで、そこが分譲と本質的に違います。言い換えれば、我々は長期的なスパンで、大きなポートフォリオの中で事業を位置付けていくわけです。 別の見方をすれば、社員の間にノルマ感がないことにもなります。会社の外で、切ったはったをあまりしなくても済むだけに、うちの社員は比較的、真面目でおとなしい。その良さと弱さがありまして、ゆったりと仕事をするのはかまわないのだけれども、社員は色々なことを広く知る必要がある。隣が何をしているのか分からないような縦割りではダメなのです。 当社は、技術系の社員を半分くらい採用しており、これは同業他社の中では珍しいことです。しかも技術系の社員に簿記や宅建の資格試験を受けさせたり、一級建築士に経理の仕事をやらせたりします。我々の扱う仕事は常に連続し、つながっているものですから、極力、横の連携を大事にします。個々の社員が全体の中で何をやっているのかを知らないといけないし、縦割りの中で埋没してしまうと、自分が何をやるべきなのか、ますます分からなくなる。 経営サイドから見れば、社員にどう気付かせるかが難しくもあります。普通の会社だと、社長が目標を掲げて社員に話すでしょう。うちはそういう細かい話をしませんから。「社会は今こうだから、我が社はこういう方向でいく」というような、一般教養みたいな感じで話すことが多いのです。 その代わり、社員には感想文を書くようにと言います。会社全体の雰囲気を知るためですから、私は提出された文に目を通すだけで、だれが書いたかは見ません。ただ、仕事に時間的な余裕がある分、社員は自分で論理的な思考能力を高める必要がある。学習能力を上げ、向上心を持たなくてはならない。他律的ではなく、道場の中で稽古をしているようなものですから、これはなかなか難しい。 森トラストグループではこれまで、様々なM&Aを手掛けたり、あるいは業種が異なる他企業との提携、資本参加をしてきました。企業文化、風土の面から、こうした動きにはをどんなプラス効果がありますか。 [森]森トラストの企業文化としては、「都市型」「資本集約型」といったことが挙げられます。森観光トラストの方では、法人会員制のホテルをやっておりますので「労働集約型」という側面もあります。 この頃は都市再開発をする際、大型複合ビルを建てるケースが非常に多くなっています。容積率の割り増し部分として住宅や商業施設が増えていますし、東京汐留ビルディングの場合は、250%分がホテルなどの文化・交流施設となります。私たちがホテルにスペースを貸す側になるためには、ホテルを経営し、施設を使う側にもなってみないといけませんよね。事業としてはバッティングする面もありますけれど、色々なことを経験できる効果もある。 商業に関しては、当社はパルコの大株主ではありますが、ああいった会社は専門の方にお任せしています。共に都市型の企業文化という点では一致しますけれど、パルコはパルコのままでないと困る。我々がゴチャゴチャ手を出さない方がいいのです。アーバンライフも同じです。頼まれて第三者割当増資を引き受けましたが、我々が吸収してしまったら意味がない。さきほども言いましたように、貸しビルとマンション分譲はまったく事業概念が違いますから。 それぞれの企業文化をグループ内でうまく使いながら、その経験を複合施設の建設などに役立てていくということですか。 [森]そういうことですね。パルコにとっては、我々が大株主になることで、東京汐留ビルディングに店舗を構えるという事業機会が得られる。我々も、再開発に当たっては商業の分野に親せきがいた方がいい。 ただし、そこで森トラストの文化を押し付けてしまうと、意味がないのですよ。むしろ文化が違うことを前提にしています。貸しビル業では1000億円以上のものを買うことがありますが、ホテルだと、100円200円といった単位でのお金の話が出てくる。そういうことが大事なのであって、だから「ルーズな支配」という考え方になるんですね。