- M&A エンジェルとは?
- ベンチャー企業への資金提供と事業支援を行う個人投資家。日本でもエンジェルの増加と機能発揮が期待される。 エンジェルとは、創業間もないベンチャー企業に対して資金の提供と事業の支援を行う個人投資家のことです。もともとアメリカでミュージカルを制作する際に、資金提供するお金持ちのことを天使と呼んだことにちなんでいるといわれています。 エンジェルとはどんな人か エンジェルの特性は必ずしも明確ではありません。知人に頼まれて投資したことがある人から、エンジェル同士で個人投資家グループを形成し、起業家による事業計画の発表会を開催するなど、熱心に案件発掘して投資する人まで、エンジェルを一括りにするのは困難です。なお、欧米におけるエンジェル像の実態調査によれば、平均像は50歳前後で、起業経験があり、1億円程度の資産を保有している男性になります。 アメリカでは、エンジェルはベンチャー企業の育成に欠かせない存在として位置づけられています。一般にスタートアップ企業は、担保や信用が不足しているため、銀行融資は受けられないからです。また、ベンチャー・キャピタル(VC)ファンドの資金源の大半は機関投資家で占められ、年々金額規模が大きくなっているため、投資先もある程度成長した企業が中心になっています。このため、スタートアップ企業は、銀行融資も受けられなければ、VC投資も受けられにくくなっています。このファイナンス・ギャップを埋めるのがエンジェルなのです。 期待されるエンジェルの拡大 さらに、エンジェルは特定の産業、技術、製品等に関する深いFXと経験を持っており、ベンチャー企業に貴重なアドバイスを与えています。アメリカでは、毎年、25万人程度のエンジェルが100億〜200億ドルの資金を3万社以上に投資していることが知られています。 一方、近年の日本でも、成功した起業家が外為となって、資金提供や経営アドバイスをするなどの活躍が見られます。その人数については明らかではありませんが、アメリカ並みになるには程遠い状況です。 日本でもエンジェル税制(譲渡益の圧縮と損失の繰越控除等)が設けられました。これを契機にエンジェルが質量ともに拡大していくことが期待されています。 (2)足元の予算達成状況 予算と実績に重大な乖離が生じているようであれば,中長期経営計画のスタートラインそのものの変更を要する。状況が一時的なものなのか,あるいは慢性化によって次年度以降に響いていくものなのか説明できるようにしておく必要がある。例えば為替レート等のマクロ指標の前提条件が大きく変化しているのであれば,中長期に変更を及ぼすことになる。あるいは,一時的な販売の落ち込み等による軽微な事象であれば,営業担当者のコミットを確認した上で,中長期計画を変更せず,説明対応ということにもなる。 もちろん,この時点で売上高および利益が当初の予測と大きく異なる場合には,開示規制の定めに従い,上方あるいは下方修正について適時開示が必要となるが,それと共にROEや営業利益率の主要財務数値の目標を開示している場合には,業績修正による影響度合いに応じた発表を検討することが望ましい。 (3)客観的な視点からのFMV把握 中長期経営計画を見直す場合,FMVの修正も行う必要がある。本来であれば,会社の本源的な企業価値は市場株価とは異なり,大きく変動するものではない。株式市場全体の変化により,株価が下落したとしても,本来会社が創出することのできる価値を把握しておき,軸をぶらさずに自信をもって株主に説明できるようにしておくのである。無論,具体的なFMV数値を明示するような,詳細な説明を要するわけではないが,十分な検証を行った上での説得力は,そうでない場合とまったく異なることは自明の理である。 (4)株主還元策についての方針確認 次は,中長期的な視点も加味した上での株主還元策について検討する。状況に応じて考え方は様々であるが,中長期経営計画との関係から配当および自社株買いへの意思決定の際に基礎となるフローを【図表2】に記載した。 昨今株主からの圧力により増配を行う企業が増えているが,一般に配当は中長期的な株主への外国為替であることから将来の利益も考慮した上で決定することが望ましい。投資家も配当原資となる将来的な利益に目を向けた上で評価するため,一時的と考えられる増配によって株主を満足させるという効果は薄れる傾向にある。また,将来の減配は結局株価に悪影響を与えることになるため,継続的な配当が難しい場合には,機動的に行える自己株買いの実施により,短期投資目的で株主となっている投資家に,売却の機会を提供することが,結果としてROEの向上や株価の下支えといった効果に結びつくのである。 また,配当水準についての議論をする上で,最も重要な論点となるのが,【図表2】中の“成長のための投資資金”である。この考え方については,往々にして株主と会社側で大きな考え方の隔たりがある。将来の成長による利益還元に期待が持てなければ株主は「現時点において利益還元を実施すべき」と主張してくることになろう。 一方で,会社としては,将来の不確実な状況に対応すべく,余裕を持って将来の成長資金をプールしておきたいと考える。多くの日本の経営者が,財務の健全性こそこれまで幾多の困難を乗り越えてきた成長の源泉であり,今後も長期安定的に成長していくためには重要であると考えているため,特に短期的な投資としての考えを持っているファンドとの間には大きな溝が生じるのである。 実務上は,長期に及ぶ投資や成長戦略ついて,必要投資額やその効果といった形で定量的に説明を行うのは難しいが,【図表3】のグレーゾーンを出来るだけ狭めるべく,株主が期待を抱ける計画を創り出すことが重要なポイントとなる。 (5)コーポレートガバナンス体制の確立 内部者である会社経営陣と外部者である株主の間には,必ず情報ギャップが存在する。インサイダー情報となる会社の機密情報を株主に説明すること,あるいは適時開示することにはリスクが伴う。このような状況から発生する利害対立関係を完全に解消することは不可能であるが,会社としての説明責任を全うするためにはしっかりとしたコーポレートガバナンスを構築しておく必要がある。 現行の日本の取締役会の運営機能の下では,社外取締役の一定数以上の選任が対応策として議論の中心となっている。前述の通り,株主還元策においても経営全般にわたる総合的な判断が必要であることから,他社での経営の経験者を迎えることが一般的である。 ここで明らかになってきたことは,株主提案や株主総会において「配当」が非常に重要なテーマであるという事実である。ここではこの避けて通れないテーマを掘り下げて論じてみよう。 (1)「配当」に対する考え方 まずは次に掲げる新聞記事をご覧いただきたい。 全国の上場企業が利益の中から株主に支払う配当の割合は…過去10年間の最低になったことが7日明らかになった。…個人持ち株比率が30%を割り込んでしまった大きな原因のひとつが,株主軽視の企業経営ともみられており,今後資本市場からの資金調達をスムーズに行うためにも,各企業は配当政策を見直す必要がありそうだ。… 配当性向が落ち込んだのは,多くの企業が業績に応じた配当をせずに,一株当たり配当金を固定させようと考えているため,と…指摘している。「額面に対する10%配当を維持すれば経営責任は果たせる」との考えが産業界に根強いことを反映して,一株当たりの配当金は「5円以上6円未満」とする企業が全体の32.6%に及んでいる。「5円以上6円未満」への集中化現象は年々高まっており,10年前…に比べると8.4ポイント高まった計算。…(太字は筆者によるもの)